火山災害を防ぐために
阿蘇中岳では加工から1km程度の場所にロープウェー、レストランなどの観光施設が建ち並んでいます。つまり、活動する火山の近くに多くの人が近づくということは、それだけ火山災害が発生する危険性が高いということでもあります。
そこで地元では行政関係者、警察、消防などによって構成される「阿蘇火山防災会議協議会」を設置し、火山防災にあたっています。火山活動に対して は、気象庁の阿蘇山測候所の観測に基づく火山情報などによって、火口への立ち入りを規制します。また、火山ガスについては観光客が立ち入る展望台周辺に5 基の火山ガスセンサーを設置し、それぞれの場所におけるガス濃度をつねに計測しています。そして、ガス濃度が高くなった時にその地区一帯を立ち入り規制す るといったきめ細かな対応を実施しています。
さらに阿蘇には、火山災害予測図(火山ハザードマップ)というものがあります。これは、「火山活動によって生じる災害を予測して示した地図」のこ とです。この地図は阿蘇火山周辺に住む人々や観光客への火山教育や防災についての啓発をするために作成されたもので、噴火時の通報先、避難先などが示され ています。付近の住民や観光客は、いざというときには、地図を利用し、災害から身を守ることが大切です。