阿蘇はどんな噴火をするの?
歴史時代以降、阿蘇火山の活動といえば、そのほとんどは中岳で繰り返されています。中だけでは西暦553年以来、たくさんの噴火の記録が残されて きました。それらには、「神霊池」や「火石」、「苦水」などといった表現がよく出てきます。これらはそれぞれ「湯だまり」、「ストロンボリ式噴火」、「土 砂噴出」などのことだと考えられるので、少なくともここ千数百年間は、現在と似たような噴火の仕方を続けてきたようです。
最も新しい時期に活動をしている火口群には、大小7個の火口があり、上から見ると、人間の耳のようなかたちをしています。一番北側(写真では一番右側)にあるのが第1火口です。
最近約70年間の火山活動は、この第1火口で起こっています。第1火口内には、ふだんは「湯だまり」と呼ばれるお湯の池がありますが、活動が活発 になってくると、この湯だまりは干上がり、火口底に小さな噴気孔が開いて、ここから黒い砂上の火山灰を噴出するようになります。これは灰噴火といって、中 岳で特徴的な火山活動です。
さらに活動が活発化すると、スコリアを数秒から十数秒おきに噴き上げるようになります。これはストロンボリ式噴火と呼ばれています。イタリアのストロンボリ火山の噴火の仕方に似ていることから、この名前が付いています。